ネタバレありますご注意下さい
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二日酔いのような不安定な高い声で歌うのは、讃美歌のようにも聴こえた。
時々かすれてふつり途切れては、思い出したように矛盾して繋がる。
(気が狂ったレコードみたいだ)
同じ旋律を繰り返したり、十二音ほど飛び越してみたり。
黒髪の男は煽っていた缶ビールをローテーブルに置き、目の前の金髪に呟いた。
「……インチキな歌だ」
「アー?」
「おまえ歌へただな」
「え、うん。知らなかった?」
「知ってた」
金髪が上機嫌に揺れて、彼の指はパチンと携帯を閉じた。パネルに赤黒い光が渦を描き、消える。
「女王様がいらっしゃるそーですヨッ」
「え、今から?」
「ご飯食べに来るってよ」
「二人分しか用意してねえし」
黒髪の男はしばし黙って考える。
考えているのは彼女の食事をどう工面しようか、であり、断るという選択肢はハナから存在しない。
「増やすか」
「お湯沸かす?」
「お前それしかしねえもんな」
「うん」
金髪はまだ歌いながらキッチンに向かう。ぺたぺたと裸足で歩く後ろ姿に、黒髪は「キッチンはスリッパ履け」と声を掛けた。
ソースを増やしてパスタは多目に茹でれば主食は三人賄える。
あとは―――
「馬鹿金、ホットプレート出して」
「えー?パスタじゃん?」
「プラスお好み焼き」
「…それ献立ヘンですよしんぱちさん」
「色々言わねえ」
「はーい」
空いた缶を片付けて、冷凍のシーフードをぬるま湯に浸す。
ほんとに湯を沸かすしかしない金髪は、相変わらず裸足で相変わらず途切れ途切れにデタラメな歌を歌っていた。
「ごーはーんーへったー」
「ビールでも飲んでろ」
「あー」
訪れた薄紅色の髪の女王様に「金ちゃんうっさい」と言われるまで、不可解な音の渦は続いていた。
-----------------------
金です。
料理してるのはアゴってのを出したかったんですが、なんかこう…大学生の溜り場みたいなノリになってしまった…お好み焼きて…
お好み焼きはソースがあれば具は粉と紅生姜でイケますもんね。貧しいね。
時々かすれてふつり途切れては、思い出したように矛盾して繋がる。
(気が狂ったレコードみたいだ)
同じ旋律を繰り返したり、十二音ほど飛び越してみたり。
黒髪の男は煽っていた缶ビールをローテーブルに置き、目の前の金髪に呟いた。
「……インチキな歌だ」
「アー?」
「おまえ歌へただな」
「え、うん。知らなかった?」
「知ってた」
金髪が上機嫌に揺れて、彼の指はパチンと携帯を閉じた。パネルに赤黒い光が渦を描き、消える。
「女王様がいらっしゃるそーですヨッ」
「え、今から?」
「ご飯食べに来るってよ」
「二人分しか用意してねえし」
黒髪の男はしばし黙って考える。
考えているのは彼女の食事をどう工面しようか、であり、断るという選択肢はハナから存在しない。
「増やすか」
「お湯沸かす?」
「お前それしかしねえもんな」
「うん」
金髪はまだ歌いながらキッチンに向かう。ぺたぺたと裸足で歩く後ろ姿に、黒髪は「キッチンはスリッパ履け」と声を掛けた。
ソースを増やしてパスタは多目に茹でれば主食は三人賄える。
あとは―――
「馬鹿金、ホットプレート出して」
「えー?パスタじゃん?」
「プラスお好み焼き」
「…それ献立ヘンですよしんぱちさん」
「色々言わねえ」
「はーい」
空いた缶を片付けて、冷凍のシーフードをぬるま湯に浸す。
ほんとに湯を沸かすしかしない金髪は、相変わらず裸足で相変わらず途切れ途切れにデタラメな歌を歌っていた。
「ごーはーんーへったー」
「ビールでも飲んでろ」
「あー」
訪れた薄紅色の髪の女王様に「金ちゃんうっさい」と言われるまで、不可解な音の渦は続いていた。
-----------------------
金です。
料理してるのはアゴってのを出したかったんですが、なんかこう…大学生の溜り場みたいなノリになってしまった…お好み焼きて…
お好み焼きはソースがあれば具は粉と紅生姜でイケますもんね。貧しいね。
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疎ましげに左足を見れば、踝のすぐ上に赤黒い傷跡。つい、と見る間に血が滲み、黒い泥と融和してなんとも暗い色が伝う。
(熱い)
湿気った森の中、足先はぬかるみに埋もれ冷えきっている。
額にこびりついた、うす汚れた白い髪を払うその手すら冷えているというのに、足首の赤たるや火傷のように熱かった。
(死んだも同然と思ってたのに)
呆とする頭が、足元の熱にあてられてだんだんと覚醒していく。腕に当たる岩の感触が、淡く聞こえる水の流れが、酔いそうな程の深い緑が押し寄せるように流れ込んでくる。
ふ、と温い風になぜられて天を仰ぐ。
無数に広がる葉の先に、空が見えた。
青く青く、ただただ青く、それはひたすらに高く見えた。
青という色はこんなにも潔く、広く清しいものだったか。こんなにも清廉で、鮮烈であったか。
(なんという、青)
己の足元は黒味を帯びた赤である。こんな赤は捨ててしまって、あの青に触れてみたい。
いつしか男は、空に手を伸ばしていた。
(熱い、でもきっとあの青に触れられれば)
(この渇きは止むだろう)
もがく指先は空を掻くが、男は手を伸ばすのを止めない。足を踏み出し、傷口が泥に触るのも構わず岩を蹴った。暗い緑の上に赤い血が跳ねる。
(あの、青に――)
男から、ひゅうっと上擦った呼吸が漏れた。
「いー天気ねー」
「そのくせまた昼間っからグダグダしてんじゃないすか」
少年はため息をつき、モップを立掛け窓を開けた。
「ほら、空なんか真っ青ですよ」
「マジだー」
「僕、青色って好きです」
「着物も青だし新八君青少年だしね?」
「青いって言いたいんですかチクショー」
ううん、と男は笑って大きく伸びをした。少年は窓に頬杖をつき、入ってくる温い風に髪を遊ばせていた。
「俺にゃ青は憧れの色ですわー」
聞いた少年は瞬いて、不可解だという顔をした。
「何ですかそれ」
「ん?過去の浪漫」
「……余計分かりません」
男は少年に並んで窓際に立つ。
二人の目前に広がる青は、確かにあの日に見た、しかしそれより幾らか澄んだ色に見えた。
------------------------
花見に行きたいです 今年こそは墓地以外へ…(ここ数年多磨墓地と青山霊園にばかり行っている)(静かなので)
(熱い)
湿気った森の中、足先はぬかるみに埋もれ冷えきっている。
額にこびりついた、うす汚れた白い髪を払うその手すら冷えているというのに、足首の赤たるや火傷のように熱かった。
(死んだも同然と思ってたのに)
呆とする頭が、足元の熱にあてられてだんだんと覚醒していく。腕に当たる岩の感触が、淡く聞こえる水の流れが、酔いそうな程の深い緑が押し寄せるように流れ込んでくる。
ふ、と温い風になぜられて天を仰ぐ。
無数に広がる葉の先に、空が見えた。
青く青く、ただただ青く、それはひたすらに高く見えた。
青という色はこんなにも潔く、広く清しいものだったか。こんなにも清廉で、鮮烈であったか。
(なんという、青)
己の足元は黒味を帯びた赤である。こんな赤は捨ててしまって、あの青に触れてみたい。
いつしか男は、空に手を伸ばしていた。
(熱い、でもきっとあの青に触れられれば)
(この渇きは止むだろう)
もがく指先は空を掻くが、男は手を伸ばすのを止めない。足を踏み出し、傷口が泥に触るのも構わず岩を蹴った。暗い緑の上に赤い血が跳ねる。
(あの、青に――)
男から、ひゅうっと上擦った呼吸が漏れた。
「いー天気ねー」
「そのくせまた昼間っからグダグダしてんじゃないすか」
少年はため息をつき、モップを立掛け窓を開けた。
「ほら、空なんか真っ青ですよ」
「マジだー」
「僕、青色って好きです」
「着物も青だし新八君青少年だしね?」
「青いって言いたいんですかチクショー」
ううん、と男は笑って大きく伸びをした。少年は窓に頬杖をつき、入ってくる温い風に髪を遊ばせていた。
「俺にゃ青は憧れの色ですわー」
聞いた少年は瞬いて、不可解だという顔をした。
「何ですかそれ」
「ん?過去の浪漫」
「……余計分かりません」
男は少年に並んで窓際に立つ。
二人の目前に広がる青は、確かにあの日に見た、しかしそれより幾らか澄んだ色に見えた。
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花見に行きたいです 今年こそは墓地以外へ…(ここ数年多磨墓地と青山霊園にばかり行っている)(静かなので)
春コミで意外にティアクライスが少なく、またも自分で描きたい衝動に駆られています。
ランドリもだがなんであんなに面白いのに二次が少ないのだろ…
二次創作したいものと面白いものは違うのかもしれないですね。
柿原さんのキューティーハニー聴きながらスパコミの銀新を考えよう…とりあえずゲーム本は今年中に出すのが目標です。描きたいものが沢山で幸せなことだ。
そんな幸せな私ですが、先日駅でご婦人に
「これをどうぞ。幸せになれますよ」
となんか宗教系のビラを貰いました。不幸そうな顔してたんだろうか私。脳が幸せなんで大丈夫です。それは大丈夫なのか。
ランドリもだがなんであんなに面白いのに二次が少ないのだろ…
二次創作したいものと面白いものは違うのかもしれないですね。
柿原さんのキューティーハニー聴きながらスパコミの銀新を考えよう…とりあえずゲーム本は今年中に出すのが目標です。描きたいものが沢山で幸せなことだ。
そんな幸せな私ですが、先日駅でご婦人に
「これをどうぞ。幸せになれますよ」
となんか宗教系のビラを貰いました。不幸そうな顔してたんだろうか私。脳が幸せなんで大丈夫です。それは大丈夫なのか。
