ネタバレありますご注意下さい
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少し出遅れたら27巻が地元になく、密林から今さっき運ばれてきました。
涙で前が見えません
ほんと…待ってて良かった…ぶわあってなった…
すごい…すごいやこれ…
涙で前が見えません
ほんと…待ってて良かった…ぶわあってなった…
すごい…すごいやこれ…
躊躇を踏みつけるのは、いつだってあの細い足だ。
地面にまっすぐ、天を目指して生えている、子供の足だ。
そしてその足を、たまに引っこ抜きたくなるのが俺という生き物だ。
「静かだと思ったらやっぱり寝てる」
呆れたように呟いて、志村新八はモップの柄で銀髪頭を小突いた。しかし銀時は顔をしかめただけで、すうすうと寝息を立てている。
「銀さーん、僕買い物行ってきますからねー」
「……ん、んー…?」
「買い物。夕飯の」
出かける支度をしようとモップを片付ける新八の背を、銀時は寝惚け眼で見つめる。
「………原チャ」
「は?」
「原チャ出す…」
「え?珍しい」
「あと銀行…」
「銀行?」
「こないだの仕事料入ってるはず…」
ああ、と新八は顔を輝かせる。
「そうですね!わあ、嬉しいなあ」
途端に上機嫌でいそいそと支度をするその背中に銀時は、普段苦労させている己の不甲斐なさを感じる。一つ、溜め息をついた。
「新八、嬉しそーだね…」
「?え?そりゃ物凄く嬉しいですよ。先月の家賃払って、食費に回して、貯金出来たらいいですね」
笑いながら言うか。なんだこれ涙出てきたよ…
「新八君てさあ…ホント…健気だよね」
「は?何気持ち悪い事言ってんですか」
「銀さん泣けてきた」
「僕は真っ赤な家計簿見て毎晩泣いてますけどね」
「…別意味で毎晩泣かせる甲斐性が欲しい…」
「…。下ネタはオッサンになるのを早めるそうですよ」
ニコリと妙に似た綺麗な笑顔で言われ、反射的に謝る。
「ごめんなさい…」
謝りながら、再び座布団に額を押し付け撃沈。妙の陰を覗かせた新八には勝てる気がしない。
「下んないこと言ってないで、ほらあんた寝癖ついてる」
子供の掌がふわりと銀髪に触れて、耳の辺りに撫でつけられる。銀時の座るソファに立ち膝になり、白い足袋から足首が覗いた。
(子供の細い足だ)
銀時はまた夢うつつな心地で、その子供の肩をやんわり引いた。薄い肩に顔を埋めて、あーとかうーとか呻く。
「寝惚けてんですか」
「起きてますぅ」
(こんな大人に肩貸してくれちゃってさ、)
「タイムセールあるし、銀行寄るんなら早く行きたいんですけど」
(世話焼いてくれちゃってさ、)
「銀さーん、ちょっとー」
耳の近くに降る声は、聞き慣れた音で心地良い。銀時はそこに欲情を見い出すことに躊躇ってもいた。
「……」
新八は黙って銀時を見下ろしていたが、その柔らかい銀髪を、子供にするように指ですいた。
「はい、気済みました?」
「……ん」
銀時はのそりと起き上がると、ソファ脇の棚から原チャの鍵を取り出した。通帳を握っているのは新八だから、彼も奥のどこぞから通帳を取り出して来た。
「んじゃ行くかー」
「銀さん寝癖直ってませんけど」
「別にいーや」
「まあ元から寝癖みたいな髪型ですもんね」
「フォローじゃないよねそれ…」
じゃ行きましょう、と子供の足はさっさと動いて玄関へ向く。
銀時は新八に触れられた己の髪、同じところを撫でつける。
柔らかい銀髪は、まるで自分の行く先を決められない大人のように、ひねくれてひねくれて撥ねていた。
----------------------
こんな頃もありました(…)
地面にまっすぐ、天を目指して生えている、子供の足だ。
そしてその足を、たまに引っこ抜きたくなるのが俺という生き物だ。
「静かだと思ったらやっぱり寝てる」
呆れたように呟いて、志村新八はモップの柄で銀髪頭を小突いた。しかし銀時は顔をしかめただけで、すうすうと寝息を立てている。
「銀さーん、僕買い物行ってきますからねー」
「……ん、んー…?」
「買い物。夕飯の」
出かける支度をしようとモップを片付ける新八の背を、銀時は寝惚け眼で見つめる。
「………原チャ」
「は?」
「原チャ出す…」
「え?珍しい」
「あと銀行…」
「銀行?」
「こないだの仕事料入ってるはず…」
ああ、と新八は顔を輝かせる。
「そうですね!わあ、嬉しいなあ」
途端に上機嫌でいそいそと支度をするその背中に銀時は、普段苦労させている己の不甲斐なさを感じる。一つ、溜め息をついた。
「新八、嬉しそーだね…」
「?え?そりゃ物凄く嬉しいですよ。先月の家賃払って、食費に回して、貯金出来たらいいですね」
笑いながら言うか。なんだこれ涙出てきたよ…
「新八君てさあ…ホント…健気だよね」
「は?何気持ち悪い事言ってんですか」
「銀さん泣けてきた」
「僕は真っ赤な家計簿見て毎晩泣いてますけどね」
「…別意味で毎晩泣かせる甲斐性が欲しい…」
「…。下ネタはオッサンになるのを早めるそうですよ」
ニコリと妙に似た綺麗な笑顔で言われ、反射的に謝る。
「ごめんなさい…」
謝りながら、再び座布団に額を押し付け撃沈。妙の陰を覗かせた新八には勝てる気がしない。
「下んないこと言ってないで、ほらあんた寝癖ついてる」
子供の掌がふわりと銀髪に触れて、耳の辺りに撫でつけられる。銀時の座るソファに立ち膝になり、白い足袋から足首が覗いた。
(子供の細い足だ)
銀時はまた夢うつつな心地で、その子供の肩をやんわり引いた。薄い肩に顔を埋めて、あーとかうーとか呻く。
「寝惚けてんですか」
「起きてますぅ」
(こんな大人に肩貸してくれちゃってさ、)
「タイムセールあるし、銀行寄るんなら早く行きたいんですけど」
(世話焼いてくれちゃってさ、)
「銀さーん、ちょっとー」
耳の近くに降る声は、聞き慣れた音で心地良い。銀時はそこに欲情を見い出すことに躊躇ってもいた。
「……」
新八は黙って銀時を見下ろしていたが、その柔らかい銀髪を、子供にするように指ですいた。
「はい、気済みました?」
「……ん」
銀時はのそりと起き上がると、ソファ脇の棚から原チャの鍵を取り出した。通帳を握っているのは新八だから、彼も奥のどこぞから通帳を取り出して来た。
「んじゃ行くかー」
「銀さん寝癖直ってませんけど」
「別にいーや」
「まあ元から寝癖みたいな髪型ですもんね」
「フォローじゃないよねそれ…」
じゃ行きましょう、と子供の足はさっさと動いて玄関へ向く。
銀時は新八に触れられた己の髪、同じところを撫でつける。
柔らかい銀髪は、まるで自分の行く先を決められない大人のように、ひねくれてひねくれて撥ねていた。
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こんな頃もありました(…)
