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花は落つる。
葉は乾き幹は朽ち果て、根は腐ってやがて崩れる。
「そういうものだと思っていたのよ」
力のない声で妙は、夢見るように言う。目元と白い肌には淡く朱が差し、崩した裾からは細い脚が覗く。近藤がこの場にいたら卒倒しそうな、無防備な色香である。
しかし銀時はしかつめらしく、その向かいでちびちびと缶チューハイを煽っていた。
「でも何故かしら、あの子のことは花にしか見えないの」
「…花、ねえ」
「成長していくにつれ花開いてゆくの」
まったく可愛い子、と項垂れて言う少女は映画のワンシーンのように美しく、男を惑わすに十分な色香を放っていた。
それを目の当たりにしても、銀時が考えるのは少女によく似たもう一人の事である。全く俺も大概だ、と諦めたように呟いた。
(あいつもう寝たのかな)
妙によく似た少年は、奥の部屋でもう眠っているだろう。横には薄紅色の髪をした少女が丸まって寝ているに違いない。
「…ちょっと貴方、聞いてます?」
「ああ、うん聞いてますよ」
「人の可愛い可愛い弟に汚い真似しないで下さい」
「うん」
「してるくせに」
「……えーと」
「私は妬んでるのよ」
「はい」
妙は相当酔いが回ったらしく、テーブルに突っ伏して目を閉じた。銀時も丁度チューハイ3本目を空にしたところで、もう寝るかと伸びをした。
「お姉さん、このまま寝ると風邪ひきますよ」
「……」
「あいつに怒られるよ」
「………嬉しい…」
「駄目だこりゃ」
酔っ払い、と言って銀時はテーブルに散乱した缶やコップを片付け始める。そして起き上がらない妙の手首を掴もうとし、一瞬手を止め、やめた。
少女の手首が余りにも、白く、細かったから。
銀時はため息を吐き、毛布を取って来るべく奥へ向かう。
「………新ちゃん、」
呟いた少女の声は、夜の静寂にふわりと溶けた。
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二人で酒飲むとか良いんじゃないでしょうか。ただ銀さんは妙姉と飲んでてもさっぱり酔えないんでしょうが(笑)
